メディア紹介

生き甲斐をもち輝き続ける素敵な人をご紹介 No.108

"誰かの人生に寄り添えることが幸せ
勉強だけでなく、思いやりの心も育てたい"

今月の人 野村 豊さん

profile
  • 桐杏学園・進研ゼミナール塾長
  • 野村豊さん

大阪府出身。約25年前に、「子どもと関わりたい」と塾を開く。高校・中学受験に加え、小学校受験に備えた「個個愛塾(ここあじゅく)」も5年前からスタートし、幅広い年齢の子どもたちと向き合っている。現在、「河内長野校」と「林間ステーション校」の2校を運営。子どもと接する仕事だからと、5年半前に禁煙に成功。

■私学小・中受験に強く 生徒の笑顔があふれる塾

教室には合格実績が書かれた大きな紙が貼られ、そこには「智辯学園中」「初芝富田林中」「清風南海中」ほか〝難関校〟の名がズラリ。中学校や高校だけでなく、「智辯和歌山小」「智辯学園奈良カレッジ小」「四天王学園小」といった小学校名もある。ここは、「桐杏学園・進研ゼミナール」河内長野校。中学・高校受験のほか、地域の保護者からのニーズに応えて5年前から小学校受験にも力を注ぐなど、私学受験に関して地元で名を馳せている学習塾だ。きっと厳しい授業が行われているんだろうな…と想像するが、生徒たちは「こんにちは!」と元気な挨拶をしながら、いきいきとした表情で塾へと通ってくる。その子どもたちの礼儀正しさについて、塾長の野村さんは、「ここは、知識を詰め込むだけの塾ではないんです」と教えてくれた。
「まず、挨拶がきっちりとできること。それから、鉛筆の持ち方やノートの取り方、授業を受けるときの姿勢なども、「きちんと」、「自然に」身につくようご指導しています。それに、学力を伸ばすことももちろんですが、周りへの気遣いができる、思いやりのある人間になってほしい。立派な大人になってもらいたいんですよ。人間としての基本ができていて、そのうえで成績がいいとあれば、こんなに格好いいことはないでしょう?」
 約25年前の開塾時からそのような方針で教育を行ってきたという野村さん。その思いが伝わっているのか、玄関で履き替えるスリッパも教室の机も、生徒たちは言われなくても自ら進んで整えるのだそう。取材にお邪魔したこの日も、気持ちいいぐらいにきれいに揃えられていた。先生とまじめな話をするときには、必ず敬語を使うというのもここでは当たり前のこと。学習以前に人間としての基本的な土台をつくる、そこから指導するのがこの塾の伝統なのだ。
「生徒たちの進学先から、うちの塾の出身者は学習する際の基本姿勢ができているとよく言っていただくんです。入学後、受験が終わってホッとしたのか成績が伸び悩む生徒もいる中で、ここで学んだ子どもたちは入学後も成績がぐんぐん伸びる、と。単に知識を与えるだけの授業ではなく、勉強にどう取り組むか、そういうことを教えてきたことの結果だとしたら、とても嬉しいことですね」
 高校受験、中学受験、小学校受験と、一人ひとりの学力に応じたきめ細かな指導に定評がある。復習としての宿題をきちんとこなすことで、達成感と自主性を養い、授業ではその宿題の解説を丁寧に展開することで理解度を深めていく。「12歳で大きな挫折感を味わわせたくない」という私立中学の受験は、これまで全員が合格という驚きの実績を生み出している。

■根っからの人間好き

とにかく人が大好きで、子どもと関われる仕事に就きたかったという野村さんは、約25年前にこの塾を開いた。
「根っからの人間好きです。誰かの人生に関われる楽しさを追求したら、塾の世界に飛び込んでいました。中学受験や小学校受験では勉強だけでなく、学校選びや進学後の夢に向かってのアドバイスなど、おうちの方々と一緒に必死に考えます。言うなれば、子どもたちの人生に少なからず影響を与える大切な節目に関われる仕事です。」
 この塾の特長。星の観察や、生き物の観察、科学実験や科学工作授業から、塾旅行や遠足まで、さまざまな催しが企画されている。これは、どうして…?
「私は、子どもが楽しそうな顔をしているのを見ると、とっても幸せな気分になります。前回は、みんなで東京ディズニーランドに行って来たんですが、チャーターのトイレ付バスでの2泊3日の旅行・・・子供たちは元気いっぱいですが、こちらは本当に体が疲れます。だけど、ディズニーランドではしゃいでいる生徒たちの顔を見ると、そんな疲れも吹っ飛びましたね。イベントごとが多いのは、そんな顔をたくさん見たいからかな。」
 これまで指導した生徒は750人以上。最初に教えた生徒は、もう40歳になった。北海道や東京など、全国に巣立っていった卒塾生たちは、大学入学や就職といった人生の節目で、電話をくれたり塾に訪れたりしてくれるそうだ。「先日は、結婚式にも呼ばれましてね」と野村さんの頬が緩んだ。
「卒塾した生徒たちが、また会いに来てくれるというのは、何にも変えがたい喜びですね。立派に成長した姿を見ると、もう感無量。この仕事をやっていて良かったなと心から思います」
 この25年の間に、教育のあり方や生徒たちの家庭環境も随分と変化してきた。子どもとの接し方や学校生活の困りごとなど、子育てについて相談をしてくる保護者も増えているそうだ。
「子育ての経験もありますし、多くの生徒を指導してきたこともあり、話しやすいんでしょうね。学校でイジメを受けているという相談を受けて、一緒に解決策をいろいろ練ったこともあります。核家族化が進み、周りに相談できる人がいないというケースはこれからも増えるでしょうから、そのような場合のよき相談相手になることも、これからの私の役割だと考えています」
 優しい表情の中に、生徒たちを思う気持ちの強さがにじみ出ている野村さん。保護者や生徒から厚い信頼を寄せられているのが分かる気がした。

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